国立公園と国定公園は何が違うの?
伊豆諸島は、昭和30年4月に「伊豆七島国定公園」に指定され、9年後の昭和39年7月に「富士箱根伊豆国立公園」に昇格編入されています。
国立公園や国定公園という言葉は見たことあるけど、そもそもそれって何なの?どっちがどう違うの?と思ったことはありませんか?指定の仕組みや管理体制に大きな違いがあるんですが、名前も似ていて覚えづらいのでごっちゃになりがちです。
今回は国定公園と国立公園の内容と違いについて説明していきます!
国立公園とは?
まずは「国立公園」について。国立公園は、日本を代表する自然の風景地で、その美しさや独自性が国内外から高く評価される場所を、環境大臣が指定しています。
言い換えると、「日本を代表するほど素晴らしい自然」があるエリアが国立公園ってことですね。
指定と管理の仕組み
国立公園は環境大臣によって指定され、その管理は環境省が行います(環境省が全部管轄ということです)。
環境省が直接関与しているため、国全体でその自然の価値を保護しようという意図が強いです。
これには、動植物の保護や環境の維持、さらには観光客のマナー管理なども含まれます。
国が関与するだけあって、保護体制もしっかりしており、訪れる人が自然を楽しめるような取り組みが行われています。
国立公園の例
日本には34の国立公園がありますが、それぞれが地域の自然を代表する名所となっています。
特に一例として挙げられるのが伊豆諸島を含む「富士箱根伊豆国立公園」。
名前の通り富士山と富士河口湖、箱根エリアなど広く伊豆・静岡のエリアを含んでいて、インバウンドからの視線もアツいスポットです。
国立公園は、その地域の自然の顔とも言える場所で、保護と観光のバランスがしっかり取られているのが特徴です。
特別地域とは
国立公園内では、景観の状況に応じた区分分けがあり、「特別地域」に指定されている地域では、建築物を新たに建てたり改築したりすることや、木の伐採や鉱物・土石の採取、植物の採取、建物の屋根・壁等の色彩に制限があります。
特別地域内だと絶対にできない!というわけではないのですが、行う場合は事前に許可が必要になり、内容によっては承認されないこともあります。また、許可が必要となっているので無許可で行うと罰せされることがあります。
国定公園とは?
では次に「国定公園」についてです。
国定公園は、国立公園に次ぐ景勝地として指定されます。つまり、国立公園ほどではないとしても、地域の自然を代表する景観を持つエリアが国定公園として選ばれます。
指定と管理の仕組み
国定公園も国立公園と同じように、環境大臣が指定しますが、管理の仕組みが異なります。
国定公園の場合、実際の管理は環境省ではなく都道府県が行うことになっています。
つまり、国立公園が国全体で保護されているのに対し、国定公園は自治体の管理下で保護・整備されています。
冒頭で解説したように、国定公園から国立公園に格上げされることもあります。
指定に関しても、都道府県知事が申請を行い、その後、環境大臣によって正式に指定されるというプロセスです。
地方と国が協力して自然を守る形になっているのが特徴です。
身近な国定公園の例
国定公園は58箇所あり、地域に密着した自然の宝庫として、多くの人に親しまれています。例えば、「明治の森高尾国定公園」は東京都内で登山が楽しめる高尾山を含むエリアです。
国定公園は、地域ごとの自然や文化を感じられる場所で、地元の人々にとっては非常に身近な自然環境を楽しめるスポットになっています。
まとめ
国立公園は、環境省(国)が管理!
国定公園は、国立公園に次ぐ景観が良いところで、都道府県が管理!
違いがわかったところで、富士箱根伊豆国立公園に含まれている伊豆諸島にぜひ行ってみてください!