
島酒巡りin東京愛らんど 参加レポート!

2024年6月15日、竹芝客船ターミナル内のアンテナショップ「東京愛らんど」で開催された「島酒巡りin東京愛らんど」に参加してきました!
このイベントは、3月に地理的表示(GI)に認定された『東京島酒』、伊豆諸島・小笠原諸島の特産品である島酒の魅力と食文化を楽しむためのイベントです。
イベント内では島酒を楽しめるだけでなく、特産品を使ったおつまみの試食、そして八丈島「情け嶋」のつくり手である小宮山善友さんによるトークショーが行われました。島の酒造りの歴史やGIについてはもちろん、島の食文化を含めた深い知識を学ぶことができました~

会場は立ち飲みスタイルで、テーブルには明日葉のおひたし、ちぎりくさや、御蔵島かぶつ柿の種の用意が。
会場後方に8種類の島酒がずらりと並び、参加者はそれぞれ8種類の島酒を1杯ずつ飲めるシステムです。


島酒は8種類用意されており、参加者は首からかけるビンゴカードのようなものに飲んだ島酒を記録しておきます。飲み方はストレート・ロック・水割り・ソーダ割りから選ぶことができ、各お酒の特徴やおすすめの飲み方を見ながら飲み比べができるようになっています。
イベント内では、杜氏の八丈興発(株)小宮山善友氏によるトークショーが行われました。ご自身の酒造りの経験や会社の歴史だけでなく、伊豆諸島・小笠原諸島の島酒の歴史やGI認定に関する情報、くさやの小話(!?)など、ご自身のつくるお酒以外のことも熱心にお話されているのが印象的でした。
GI(地理的表示)とは
冒頭にもあるとおり、今年2024年3月に「東京島酒」がGI(Geographical Indication:地理的表示)に認定されました。
GIとは、特定の地域で生産されたことを保証する表示で、その品質や特性が地域と結びついていることを示す認定制度です。わかりやすい例では、夕張メロンはメロンのなかでも高い品質と夕張市で作られたということを示していますし、お酒でいえばシャンパンはフランス・シャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインのみを指すように、品質や特性と、その産地の名前が結び付いた農林水産物や食品がありますよね?
その名称を知的財産として保護しているのがGIです。

この認定制度の第一号は夕張メロンなのですが、夕張でつくってないメロンを適当に夕張メロンでーす!と言って売られていたりしても対応が難しく、JA夕張市では『夕張メロン』を苦労して商標登録したりと、対策に悩まされていたそう。
GIは地域のつくり手に負担なく、安心して高品質な産品をつくりつづけられるための制度なんです。
東京の島々で作られる島酒もGI指定を受けたことにより、その品質とブランド価値を国から保証されていることになります。GIはすでに世界100カ国以上で導入されている制度のため、国外向けのPRにも強いのが特徴です。
GI認定された「東京島酒」とは
GI認定の解説では、そもそも「東京島酒」がほかの地域の焼酎とどう違うのか?という部分にもフォーカスをあてたお話がありました。伊豆諸島で製造される東京島酒の特徴としては、以下の2点が挙げられます。
1️⃣麦麹をつかうこと
一般的な芋焼酎の多くは、米麹に芋を加える”米麹芋がけ焼酎”なのですが、東京島酒の芋焼酎は”麦麹芋がけ焼酎”です。これは、伊豆諸島は島の成り立ちが火山島なので、稲作に適した土地が少なく、穀類は麦や粟を中心に栽培されてきたために、麦麹を使うことになったと推測されています。



九州の芋焼酎と全然味が違うのは、こうじが違うことが理由らしいです!
2️⃣「芋焼酎」、「麦焼酎」、「芋・麦のブレンド焼酎」の3つのタイプに分かれること
伊豆諸島では1853年に芋焼酎を作ることから焼酎づくりが始まりました。やがて芋農家さんの減少などにより、島内の芋を原料とする芋焼酎から、輸送しやすい麦を島外から仕入れるかたちで麦焼酎をつくりはじめることになります。この芋と麦、2つ両方を製造する製造場で、両方の特徴を活かした第三のタイプとして芋・麦のブレンド焼酎が開発されて、現在の3タイプの分類にわかれたという経緯があります。
今回GI認定された『東京島酒』はこの2つの特徴と、伊豆諸島で作られていることが条件となるため、利島の「さくゆり」や、三宅島の「雄山一」、小笠原のラム酒は、麦麹を使っている芋・麦・もしくは芋麦のブレンドという条件にあてはまらないため、『東京島酒』のGIの認定範囲にはないとのことです。



あくまでも『東京島酒』というGI認定のときの話で、もちろん同じ東京諸島のお酒であることには間違いありません!
各島酒の特徴
本当はイベントに出ていた8種類全部の島酒を紹介したかったのですが、もともとあまり酒に強くないタイプのため、イベント時間70分で飲むことができたのは以下の3種類のみでした😭。
大島 御神火いにしえ:
大島の「御神火いにしえ」は、その名のとおり大島の御神火をイメージした焼酎。二年間の熟成で深みを増した芳醇な香りが特徴的です。
利島 さくゆり:
利島の「さくゆり」は、利島産さくゆりのゆり根と米を合わせて製造。白いさくゆりのカサブランカのような気品ある味わいが特徴で、軽い口当たりから女性にもおすすめできます。
式根島 地鉈:
式根島の商店「おくやま」さんと八丈島酒造さんがタッグを組み、式根産のあめりか芋のみで醸造、3年熟成した焼酎。あめりか芋のすっきりとしたコクとさわやかでさっぱりとした味わいは他にないあじわい。



個人的には「地鉈」の水割りが飲みやすくて超おいしかったです!
まとめと感想
「島酒巡りin東京愛らんど」は、島酒と特産品を堪能できるいい機会になりました!伊豆諸島での焼酎のなりたちなども学ぶ機会になり、もともと伊豆諸島の焼酎に関心を寄せている人はこのイベントでよりマニアになったのでは?



私もお気に入りの一杯を開拓できて大満足!!
また次もやってほしいなあ~